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現地記録:第4週––カルト教団
アークにたどり着けたことを、日に日に感謝するようになっている。 ここには、かろうじて「生活」や「共同体」と呼べるものがある。 それがなければ、人は…おかしくなってしまう。 哨戒中に、彼らを見つけた――霧の中にぼんやりと浮かぶ三つの人影。 まるで長い間この森にいたような動き方だった。背を丸め、警戒しながらも、どこか目的を持っていた。 最初に近づいたのは私だった。両手を上げ、カービン銃は背中にかけたままだった。アントンは後ろに残り、援護していた。 私は彼らに、私たちはアークから来たこと、避難所と薬があることを伝えた。 彼らは振り向いた。木製か骨製のマスクが顔を隠していた。「私たちは、今いる場所で満足している」とリーダーが言った。おそらく女性だろう。声は低く、落ち着いていた。「森は必要なものすべてを与えてくれる。」 私は、そんなのは狂ってる、ここでは死ぬだけだと説得しようとした。 だが、彼らは聞く耳を持たなかった。 その夜、アークで歌声が聞こえた。 低く、喉から響くような声――まるで呪文のような詠唱。 それは森の中を波のように響き渡り、 誰一人として眠れなかった。…
記事を読むフィールドノート 第3週–物資の調達
アークでの生活は、思っていたよりずっとマシだ。エンジニアたちは本当に見事な仕事をしてくれた。滑車のシステムを組み上げて、物資――そして人間さえも――頂上まで運べるようにしたんだ。粗削りで、うるさくて、完璧にはほど遠い。でも、ちゃんと機能する。 どうやら噂が広まっているようで、毎日のように新しい生存者がやって来る。かつては疲れ切った放浪者の集まりだったのが、今ではかろうじて「共同体」と呼べるものに変わってきた。働ける手が増えたのはありがたい。でも、それはつまり、食わせなきゃいけない口も増えるってことだ。それは妥協だ。成長にはリスクが伴うからだ——そうなると、集落全体の安全を維持するのが一層難しくなる。 俺たちは街中をくまなく探し回っている。食料、薬、道具、金属のガラクタ――何でも価値がある。大半の場所はとっくに荒らされているけど、もし街の奥深くまで足を踏み入れる覚悟があるなら、まだ何かしら見つけられる。運が良ければ生き延びられる。 昨日、ル・コキリエール通りの近くの一角に入った。古びたパン屋を調べた。上の階は空っぽだった。棚は空、ガラスは割れ、埃はむせ返るほど積もっていた。そして地下室に入ると――そこには、ネズミの群れが死体をむさぼっていた。 俺たちの足音を聞いたネズミたちは一斉にこちらを振り向いた。目が光り、体が震え――そしてそのうちの一匹が…破裂した。 爆発は小さかったが、凄まじい威力だった。胞子と肉片が部屋中に飛び散る。俺たちはすぐに発砲しながら階段を駆け上がった。他のネズミたちも膨れ上がり、次々と爆発し始めた。轟音が耳をつんざき、悪臭で息もできないほどだったが、なんとか脱出できた。 ようやく安全な場所にたどり着いたとき、私は振り返った。ネズミたちはもういなかった。しかし、胞子が空中に漂っていた。消えたくない邪悪な霧のように。…
記事を読むフィールドノート:第2週 狩猟
ガブリエルとアントンと一緒に狩りに出された。彼らのことはほとんど知らない。でも、この場所では信頼なんて贅沢品だ。時間をかけて築く余裕なんてない。だから、夜明けとともにキャンプを展開し、北へ向かってイノシシを探しに行った。イノシシは追跡しやすい。うるさくて、行く先々で何もかも壊しながら、群れで移動するからだ。 ここでは、すべてが変わる。動物でさえも。 ガブリエルが射撃を志願した。彼は低く身をかがめ、長い草の中を静かに進んだ。アントンと私は後方で見守った。森は一瞬、静寂に包まれた。枝の折れる音も、遠くの遠吠えもない。ただ、草を揺らす風の音だけが響いていた。 そして、ガブリエルが引き金を引いた。 イノシシたちは悲鳴を上げて四散した。だが、別の何かが起こった。彼が身を潜めていた草が…動いた。風ではなく、意志を持って。草は硬化し、無数の小さな刃となった。 ガブリエルは叫ぶ間もなかった。 すべてが終わると、草は…緩んだ。何事もなかったかのように、穏やかに揺れていた。ガブリエルの姿はなく、彼の血が大地を染めていた。 私は、森がこのような行動をとるのを見たことがなかった。 私たちは、彼がいた場所をじっと見つめていた。時間の感覚は失われていた。やがて、アントンが我に返り、「任務を完了させよう」と呟いた。私たちは、ガブリエルが仕留めたイノシシを縛り、キャンプへと引きずって戻った。 森は、ただ殺すのではない。罰するのだ。 イノシシは手に入れた。だが、仲間を失った。…
記事を読むフィールドノート:第1週 – 到着
これは「市民たち」の拠点で発見された現地の記録である。名前のない生存者が、新しい世界を探索した際の出来事を記している。彼の素性に関する記録は一切見つかっていない。だが、今あなたはこれらの資料にアクセスできる。森で生き延びる可能性を、大きく高めてくれるかもしれない。 生き延びた。どうにかして、ありえないような状況の中で、生き延びたのだ。 方舟(アーク)にたどり着いた頃には、体力も尽き、空腹に耐え、恐怖でいっぱいだった。だが噂は本当だった——ここには、生存者がいた。まだほんの少し。いくつかのテントと、即席のバリケードがある程度だが、それでも希望の光だった。 新しく来た者の中には、工学の知識を持っている人もいて、補給物資や人員を方舟の上部に運ぶための滑車システムの構想が出ている。突飛なアイデアに聞こえるかもしれない。だが、夜の森の危険さを考えれば、常識外れの策こそが、命を守る唯一の方法かもしれない。 人と共に過ごすのは、奇妙な感覚だ。焚き火を囲み、物語を語り合い、時には次に何をすべきかで言い争う。すべてが壊れやすく、一度の悪い夜で崩れてしまいそうな、そんな不安定さを感じる。団結は力なり。もしかしたら、ここで何かを築けるかもしれない。失いたくない、守るべき「何か」を。
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